ラフタークレーンの操縦は難しい?
クレーンオペレーターになりたいけど、やっぱり難しいのかな?
どうやって操作してるんだろう?
もし入社したらどういう練習をするんだろう? 練習ってどのくらいさせてもらえるの? そういった疑問にお答えします。
目次
- ラフタークレーンの操縦は難しい?
- 操作方法は?
- 運転席のレバー配置
- 通常作業の操作方法
- 伸縮作業の操作方法
- 練習内容は?
- クレーンの走行
- クレーンの設置
- クレーンの操縦
- 練習期間は?
- まとめ
ラフタークレーンの操縦は難しい?
ハッキリ言って難しいです!(笑) 私は入社時に10年で一人前!と言われました。
※この記事は未経験者の方にとっては難しく感じるような内容になっています。
※ですが、当社はシッカリと指導いたしますので安心してください。
まず、クレーンを釣り竿と置き換えて想像してみて下さい。
左手に釣り竿(ブーム)、右手でリール(ウインチ)、釣り糸の先に重り(吊り荷)。
一番小さなラフタークレーンでもブームの長さが24mあります。
24mの釣り竿を左手に持ち、右手のリールで竿の先から垂れている重りの高さを調節しながら、重りを振れさせずに狙った位置で止める。
想像できたでしょうか? 竿を手で直接操作するとしても難しいはずです。
皆さんが見かけたオペレーターの方達はすました顔をして操縦していると思いますが、皆さんから見えない運転室の中では両手両足を使い、とても難しい操作をしています。
この事だけを知ると、とても難しくて自分には無理かもしれない…と、そう思われるかもしれません。
ですが、人間はとても優秀な生き物で、難しい事でも真剣に練習をする事である程度までは出来るようになります。
車の運転も同じです。
両手でハンドルを操作し、右足でアクセルとブレーキの2つのペダルを踏みかえながら速度を調整し、MT車であれば左手でシフトノブの操作を行い、左足ではクラッチペダルを操作しないといけません。
しかも周りの交通状況に合わせて周囲に気を配りながら速い速度で走る車を運転する。
最初は誰しもが苦戦した事と思います。
ですが、それも慣れると操作の事を考えずに運転する事が出来るようになり、ドライブ中にまわりの景色を楽しむ余裕ができたり、歌を歌いながら運転する事が出来るようになったりしていると思います。
ラフタークレーンの操縦も同じです。
最初は難しくて当たり前。
でも練習をする事でそれが当たり前に出来るようになっていきます。
ですが、人には向き不向きがあり様々な方がいますので、さすがに全ての方が操縦出来るようになるとまでは言えませんが、オペレーターになりたい気持ちが強く、難しい事に挑戦するのが好きで、車の運転や機械の操縦が好きな方であればなれると思います。
操作方法は?
運転席のレバー配置
まずはこの写真を見てください。

この画像はKATO SR-250RfⅡというラフタークレーンの運転席の写真です。
①旋回レバー…前方へ倒すと左旋回、後方へ倒すと右旋回。
②ジブ起伏・伸縮レバー…前方へ倒すとジブ倒し(ジブ伸ばし)、後方へ倒すとジブ起こし(ジブ縮め)。
③補巻きウインチレバー…前方へ倒すと補フック巻き下げ、後方へ倒すと補フック巻き上げ。
④主巻きウインチレバー…前方へ倒すと主フック巻き下げ、後方へ倒すと主フック巻き上げ。
⑤起伏レバー…前方へ倒すとブーム倒し、後方へ倒すとブーム起こし。
⑥伸縮レバー…前方へ倒すとブーム伸ばし、後方へ倒すとブーム縮め。
⑦伸縮ペダル…爪先側を踏むとブーム伸ばし、踵側を踏むとブーム縮め。
⑧補巻きウインチペダル…爪先側を踏むと補フック巻き下げ、踵側を踏むと補フック巻き上げ。
⑨主巻きウインチペダル…爪先側を踏むと主フック巻き下げ、踵側を踏むと主フック巻き上げ。
⑩ブレーキペダル…走行用のブレーキペダル。
⑪アクセルペダル…エンジン回転数の調節。
⑫フロントステアリング…普通車と同じで前輪の操舵ができます。
⑬リヤステアリングレバー…右へ倒すと後輪が右へ、左へ倒すと後輪が左へ曲がります。
同じ色のレバーとペダルは機械的にリンクしていますので、どちらを使用しても操作が可能です。
通常作業の操作方法
通常作業時には両手両足を使います。
当社のラフタークレーンは全車標準操作方式のため、通常作業時には左手で①旋回レバー、右手で⑤起伏レバー、左足で⑨主巻または⑧補巻ウインチペダル、右足で⑪アクセルペダルの操作を行います。
ジブ装着時は、通常作業時の操作にプラスして②ジブ起伏・伸縮レバーの操作も必要になります。
ジブ起伏・伸縮レバーはスイッチで起伏モードと伸縮モードを切り替えて使用します。(※ジブ油圧伸縮機種のみ)
伸縮作業の操作方法
通常作業とは異なり少々特殊な作業となりますが、高さ制限などでブームを伸ばしたり縮めたりしながら作業を行う伸縮作業時には、左手で①旋回レバー、右手で⑤起伏レバーと④主巻ウインチレバーと③補巻ウインチレバー、左足で⑦伸縮ペダル、右足で⑪アクセルペダルの操作を行います。
この伸縮作業はとても難しいので、通常作業に慣れた後に練習を行います。
練習内容は?
ラフタークレーンのオペレーターの練習としては大きく分けて3つあります。
クレーンの走行とクレーンの設置とクレーンの操縦です。
クレーンの走行
ラフタークレーンは通常の車と違って油圧で操舵しているので、普通車と違いハンドルには中立位置がありません。
普通車であればハンドルとタイヤがリンクしているのでハンドルの中立位置で固定しているとある程度真っ直ぐ走りますが、ラフタークレーンはハンドルとタイヤがリンクしていないので真っ直ぐ走りません。
それにタイヤのトレッド幅が広い為、轍の影響をかなり受けます。
これはどういう事かと言うと、ハンドル操作をしていないのに勝手にハンドルが切れます。(笑)
危険ですよね。
なので真っ直ぐ走っている時でも、ちょこちょこハンドル操作を行わないといけません。
普通車では簡単な真っ直ぐ走る事、これもラフタークレーンでは練習が必要です。
あとは後輪操舵の練習も必要です。
クレーンは大きさの割に狭いところを曲がったりしないといけない為、普通車と違い後輪も操舵する事が出来るようになっています。
これが凄く便利なのですが、最初は戸惑いますし後退となると頭が混乱してしまいます。
前輪も後輪もそれぞれ独立して操舵可能なため、これを駆使して狭い箇所を曲がり、狙った位置にクレーンを合わせる事も練習します。
クレーンの設置
クレーンの操縦を行う為には、まずはクレーンを設置しなければなりません。
クレーンの設置は手順を忘れると事故に繋がるような危険な項目です。
何度も反復してクレーンの設置手順を覚えるまで練習を行います。
クレーンの操縦
クレーンの操縦の練習については段階的に練習内容を変えていきますが、練習の内容が多すぎる為ここでは割愛して書きます。
まずは吊り荷は吊らずフックのみで旋回をし、フックの横振れを止める練習から行います。
油圧レバーの操作に慣れる事と、振れを止める理屈と感覚を覚えていただく為です。
その後、起伏方向の振れ止めの練習、起伏とウインチの同時操作で水平移動の練習、旋回も加えた水平移動の練習を行い、吊り荷を吊った状態での様々な練習、実際の現場での揚重作業を想定した練習や、地切りが難しい吊り荷の地切りの練習など、様々な練習を行います。
練習期間は?
未経験の方が練習する期間は人それぞれになりますが、基本的に1か月~3か月が練習期間となる事が多いです。
入社後に免許取得される方は免許証の交付までは現場へ出る事が出来ないためです。
免許をお持ちの状態で入社された方で、かつ成長が早い方であれば2週間ほど練習して簡単な現場からにはなりますが現場へ出られる方も居ます。
成長スピードは人それぞれなので、その方の成長具合をみて現場へ出てもらっても大丈夫と判断されるまでが練習期間という事になります。
まとめ
クレーンの操縦は簡単ではありませんが、練習をする事で多くの方が出来るようにはなります。
車の運転と同じです。
練習で出来ない事はもちろん現場でも出来ません。
最初は先輩社員が付き添いますが、現場では本当に緊張します。
緊張した状態では普段できる事が出来ない事もあります。
現場に出るまでの間に、少しでも上達しておく事がとても大切です。
そうする事で現場でのストレスが減りますし、お客様やクレーン使用業者の方々とお互い気持ちよく作業が出来るようになります。